ECサイトの利用が当たり前になってきた現代で購入者はどのようなところを見て商品を購入しているのでしょうか。「商品の質、値段の安さ、口コミ」もちろんこれらもECサイトにとって大事な項目ですが約7割の購入者が確認している項目があります。それが返品ポリシーです。また、同様の調査ではECサイトの返品ポリシーの内容を見て買い物をやめたことがある買い物客は56%とわかっています。
ECサイトにとって返品ポリシーは必須項目となっていて、いい返品ポリシーは購入者に安心を与え、売り上げにもつながります。
「返品ポリシーを作りたいけど返品ポリシーの書き方がわからない」
「返品ポリシーがないとどうなるの?」
「売上につながる返品ポリシーの作り方が知りたい」
などとお考えのEC担当者の方におすすめの記事です!必見です!
目次
- 返品ポリシーとは
- 返品ポリシーの重要性
- 返品ポリシーの作成方法
- 返品ポリシーの項目
- 返品ポリシー作成時のポイント
- 返品ポリシーのテンプレート
- 成功事例
- 返品作業効率化Shopifyアプリ
- まとめ
- よくある質問
返品ポリシーとは
ECサイトを通じての売買の際には様々な理由によって返品が発生します。
この返品についてのルールや条件を示すものが返品ポリシーです。
日本では2020年4月1日に改正された民法によって「契約自由の原則」が規定されました。そこで基本的には返品ポリシーなどは基本的に法律よりも優先されます。
そのため返品ポリシーは設けるだけでなくわかりやすく記す必要があります。
返品ポリシーの重要性
返品ポリシーを記載する重要性は主に3点あります。
- 購入者が安心して購入することができる
- 購入者とECサイト両方の利益を守れる
- 購入者にメリットのある返品ポリシーは売上アップに繋がる
上から順に解説していきます。
購入者が安心して購入することができる
ECサイトでの買い物の最大の懸念点は不安感にあります。
株式会社ロコンドは「自宅で試着、自由に返品」をキャッチフレーズとして掲げ購入者の不安感を除くことで2020年には黒字経営に繋げています。また明確でわかりやすい返品ポリシーは購入時の満足度にいい影響を与えることがわかっています。
購入者とECサイト両方の利益を守れる
ECサイトにはクーリングオフ制度が適用外になっています。(返品について記載がない場合8日以内であれば返品可能である特定商取引法が適用になります)このことを知らずに購入してしまう人も少なくないです。またECサイト側も返品ポリシーを明記することで自らの利益を守ることにもつながります。
購入者にメリットのある返品ポリシーは売上アップに繋がる
購入者にとって不安要素であった返品についての対応などが改善されることはメリットに繋がります。「サイズ間違えたらどうしよう、試着しないと買いたくない」という新規の顧客を引き込むことにも繋がります。また返品対応の自動化により新たなラインを展開することができた会社もあります。
返品ポリシーの作成方法
返品ポリシーの作成の際には返品できる条件、返品する際の手続き、返品の際の負担をどちらがするのか、返品の送り先等を明記する必要があります。これらのことを全ての購入者にとってわかりやすく書くことで購入者により安心感を与えることができます。また返品ポリシーを正確に記すことは問い合わせ件数の削減に繋がり、会社全体の作業効率アップにも繋がります。
返品ポリシーの項目
返品ポリシーの項目で必要なのは以下の4点です。
- 返品・交換が可能な条件
- 返送料の負担
- セール品や特売品の取扱
- 返品受付期間
上から順に解説していきます。
返品・交換が可能な条件
こちらにはどの様な条件を記す必要があるか例を挙げて解説していきます。
(例)
- 商品到着後7日以内に返品・交換リクエストをいただいている。
- 未使用もしくは試着のみ
- ダメージがない(におい、汚れ、傷)
- 洗濯・クリーニングしていない
- 裾上げ・お直ししていない
- タグ・ラベル・パッケージ等の付属品が揃っている
- 納品書がついている
このような項目が返品・交換可能な例としてあげられます。
以上のように返品・交換できない条件を詳細に記す必要があります。
返送料の負担
こちらの項目にはどの様なことを記すべきか例を挙げて解説していきます。
(例)
- 返品時の送料はお客様負担となります。
- 注文時の金額が22,000円(税込)以上で、返品後の注文金額が22,000円(税込)未満になった場合、往路送料(660円)を頂戴します(全て返品も含む)
返送時の送料負担をどちらがいくら負担するのか記す必要があります。
また二つ目の項目に関しては〇〇円以上で送料無料キャンペーンをやっている場合は返品後に合計金額が下回る場合無料になっていた送料分を回収しているECサイトもあります。
セール品や特売品の取扱
セール品や特売品に関しては返品・交換可能な条件の項目に入れているECサイトが多数あります。
またセール品の購入ページにて返品・交換の可否を明記しておくことで購入者も認識して購入することができます。
返品受付期間
返品・交換受付期間の項目にどの様なことを記すべきか例をあげて解説します。
(例)
商品がお手元に到着してから8日以内に、返品・交換申込みフォームより申請いただき、商品を返送してください。
上記のように手元に到着してから何日以内に返送までを行う必要があることを明記していると購入者もわかりやすいです。
また、返品・交換申請を7日以内に頂ければ返品可能というような設定をしているECサイトもあります。
返品ポリシー作成時のポイント
返品ポリシーの作成時のポイントはこちらです。
- 顧客フレンドリーなポリシーの作成
- わかりやすい内容・導線作り
- FAQの充実
- 返品作業の効率化
「よく見たら小さい文字で返品不可と書いてる」
「返品ページを探すのに時間がかかる」
1990年代からの日本では「買ってもらおう」として顧客を扇動し、更にそれを解約しにくいシステムをECサイトで作り上げていました。
事業者側の利益のみを追及したECサイトが沢山あるのが現実ですが、現在では顧客に優しいポリシーによって売り上げを伸ばしている企業もあります。返品・交換無料などの顧客フレンドリーなポリシーを作成することで売上アップも見込めます。
わかりやすい内容・導線作り
顧客フレンドリーなポリシーを作成したのにこれがわかりづらい内容では意味がありません。 100人読んだら100人理解できる内容が好ましいです。
返品の仕方がわかりにくいECサイトはリピーターを減らす原因に繋がります。返品しやすい導線作りがあれば購入者も安心です。
そして何よりお問い合わせ数を削減することは対応する作業が減り、作業効率アップに繋がります。
FAQの充実
FAQ(よくある質問)のページも設けるとよりわかりやすい返品ポリシーになります。
また、返品ポリシー内などに導線を設置することで、お客さんが迷うのを防ぐことが出来ます。
返品作業の効率化
返品作業ではメール対応、返金のみか交換なのかなどを確認する必要があります。
購入者が増えれば、それなりに返品希望者も増えてきます。全米小売業協会(National Retail Federation)によると2020年のオンラインショッピングの返品は、2019年の2倍以上になり、これらを全てスタッフが対応していたら返品専用のスタッフをつける必要が出てきます。返品作業の効率化をするためには返品ポリシーは欠かせないものです。ECサイトを運営していく上で返品作業の効率化は必須です。
返品ポリシーのテンプレート
ここでは返品ポリシーのテンプレートを紹介します。
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〇〇サイトでは、ご購入いただいた商品をお客様都合で返品・交換することが可能です。商品がお手元に到着してから8日以内に、返品・交換申込みフォームで申請と商品の返送までお済ませください。
■サイズが合わない・イメージと違ったなどの場合
お受取後8日以内に限り、返品対応が可能です。返品・交換申込フォームよりご依頼ください。
お客さまのご都合による返品は、返送料をお客様にご負担いただいております。
当社からの配送時の送料は返金ができかねますので予めご了承のほどよろしくお願いいたします。
■商品に問題があった場合
万が一お届けした商品が不良品、もしくはご注文商品とは異なる場合、ご要望に応じて、早急に返品または交換対応させて頂きます。お受取り後7日以内に返品・交換申込フォームをご記入ください。
お手続き完了後、返送方法などをご案内させていただきます。
返品・交換不可の条件
- お客様のもとに商品が到着後、7日以内に返品・交換のお申込みをいただけなかった場合
- 商品に使用感・破損・汚損が見受けられる場合
- 商品のタグ・付属品の紛失がある場合
- 当社が指定する方法以外での商品返送をされた場合
- 返品不可クーポン等、特別条件で販売した商品の場合
- 商品ページまたはキャンペーンページ等で返品不可と表記されているご注文の場合
- 肌着、水着、アクセサリー、その他の着用により下着等を介さずに直接肌に触れることになる商品
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以上が返品ポリシーのテンプレートの一例です。ショップとしてオリジナリティがある返品ポリシーを作りたい方はShopifyで返品ポリシージェネレーターを使用すれば、誰でもプロフェッショナルな返品ポリシーを書くことができます。
気になる方はこちらから↓
https://www.shopify.jp/tools/policy-generator/refund
成功事例
COHINA
小柄女性向けのアパレルD2Cブランド「COHINA(コヒナ)」。
サイズ違いやイメージ違いのお客様都合の返品を受け入れています。
サイズが重要視される商材コンセプトですが、返品できる安心感からECサイトでも気軽に購入することができる設計になっています。
SOEJU
ラグジュアリーなベーシックアイテムを展開するアパレルD2Cブランド「SOEJU(ソージュ)」。お客様都合の返品・交換を受け入れているのはもちろん、交換の場合は返送送料をブランドで負担しています。
また、定期的に、返送送料無料の試着キャンペーンも行っています。圧倒的な商品の質と顧客体験の高さが大きな成長に繋がっています。
One nova
究極の履き心地を追求したアンダーウェアを販売するブランド「One Nova(ワンノバ)」。
着用後でも返品・サイズ交換を無料という返品ポリシーを掲げています。また、「いちばん保証」というキャッチ―でわかりやすいネーミングをすることで、ユーザーへの浸透も上手く行っている例です。
このような施策を小なうことで、実際にEC平均水準の2倍の購入率を実現しています。
返品作業効率化Shopifyアプリ
返品ポリシーを寛大にする「返品マーケティング」を行うには、返品・交換対応作業のオペレーション構築が必要になります。オペレーション構築を行わないと、社内のCS業務への大きな負担やユーザーへの顧客体験低下に繋がってしまいます。
Shopifyでは返品・交換に特化したアプリが複数あります。
今回はその中からおすすめの3つのアプリをご紹介いたします。
- Recustomer
- AfterShip Return Center
- Loop Returns & Exchanges
それぞれのアプリを比較していきます。
アプリ |
料金 |
機能 |
Recustomer |
フリープラン $0/月 人気プラン $59/月 スモール $199/月 ベーシック $349/月 |
返品・交換自動化機能 キャンセル自動化l機能 自動集荷機能 クーポン自動発行機能 分析・レポーティング機能 |
AfterShip Return Center |
Free $0/月 Essentials $9/月 Pro $199/月 Custom 要相談 |
24時間返品・交換対応 返金の際にECサイト内のクレジットで返金 ISO27001認証 スマートルーティングルールの設定が可能 |
Loop Returns & Exchanges |
Starter $59/月 Essential $200/月 Advanced $415/月 |
なんでも交換可能なのでポジティブレビュー増加にも繋がる 返品を自動処理 倉庫等の商品に関わるすべての施設に返品可能 |
Recustomer
Recustomerは国内の返品・交換・キャンセル自動化Shopifyアプリです。国内の配送会社やWMSツール・OMSツールなどと連携しているので、国内事業者さんにおすすめです。
返品・交換自動化
Recustomerは返品・交換の受付から在庫引当や返金作業まで自動化することができます。また、事前に交換・返金承認のロジックを設定しておくことで、返品理由によって自動で承認や拒否の判断を行うことが可能です。
これらの機能により、返品にまつわるお問い合わせの82%を自動化することができます。
キャンセルの自動化
キャンセルのリクエストを受けると自動で配送ステータスを確認し、キャンセルの承認・拒否を判断します。
承認された場合は、配送停止作業、在庫戻し、返金作業を自動で行います。
キャンセル要望に対して、素早く対応することで販売機会を逃しません。
自動集荷機能
国内配送業者と連携しているため、ユーザー自身で簡単に集荷を手配することができます。購入者の返品業務の負担を軽減顧客体験の向上を実現します。
AfterShip Returns Center
AfterShip Returns Centerは海外の返品特化のShopifyアプリです。料金が低価格なのが特徴で、ミニマムで始めたいという方におすすめです!
顧客をつなぐ返金方法
返金の際にストアクレジットか交換かを選択できるオプションがあるため顧客を自らのストアに留めておくことができるため利益を逃さないことができます。
返品管理ポータル
一つの画面で返品の流れを全て管理できるため人的エラーの減少、返品リクエストを簡単確認、返品パフォーマンスの分析を実現することができます。
AfterShip Returns Centerアプリを追加する
Loop Returns & Exchanges
Loop Returns & Exchangesも海外の返品特化のShopifyアプリです。料金は少し高価ですが、デザインを自由にカスタマイズできたりと機能が豊富なのが特徴です。フロントが英語仕様となっているので、越境ECを運営されている方におすすめです。
24時間対応の自動返品サービス
消費者は自分のタイミングで返品を行うことができるため、返品しやすい環境作りをすることができます。
また返品したお金はストアクレジットとして返金されます。
どこにでも返品可能
Loopでは商品にまつわる施設どこにでも返品可能です。
また商品の移動場所、時間、移動方法まで管理することができるため商品が戻ってくるまで安心して返品業務を行うことができます。
Loop Returns & Exchangesアプリを追加する
ECサイトの最大の弱みであった「返品がしにくい」「返品するのが面倒」という顧客側の悩みと「返品対応に時間がかかる」「返品作業が大変」というECサイトの悩みを両方同時に解決できるのが返品ポリシーです。
購入者の気持ちを考えたときに最初から何日以内、商品の状態、返品方法、返送料の負担などが明記されていた方が安心して購入でき、家で試着するというような考え方もよりいっそ増えてくると今よりECサイトへの安心感は強いものになると思いませんか? 実際に家で試着を売りに販売をしているECサイトも出てきました。
やはり返品ポリシーは商品を購入する大きなきっかけにもなり得ます。
返品なんて損しかしないという常識は覆されていて、ECサイトなのに、下着なのに、返品できる・交換できることを強みとして売り上げをあげているECサイトも多数あります。
ECサイトを安心して使える場所にしたい方は、返品ポリシーを作ってみてください!
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「返品ポリシー」に関するよくある質問
返品ポリシーを作るメリットは?
- 購入者が安心して購入することができる
- 購入者とECサイト両方の利益を守れる
- 購入者にメリットのある返品ポリシーは売上アップに繋がる
返品ポリシーに表記すべき項目は?
- 返品・交換が可能な条件
- 返送料の負担
- セール品や特売品の取扱
- 返品受付期間
売上に繋がる返品ポリシーを作る際のポイントは?
- 顧客フレンドリーなポリシーの作成
- わかりやすい内容・導線作り
- FAQの充実
- 返品作業の効率化
返品・交換に特化したShopifyのおすすめアプリは?
- 国内仕様・高品質が特徴な「Recustomer」
- 海外仕様・リーズナブルが特徴な「AfterShip Returns Center」
- 海外仕様・多機能が特徴な「Loop Returns & Exchanges」