<p>会社にはそれぞれにさまざまな役職の社員がいます。そのうち多くの会社が設置する役職の一つが執行役員です。</p>
<p>「執行役員」という言葉はほとんどの方が耳にしたことがあると思いますが、実際にどのような役割を担っている役員なのかを知らない方も少なくありません。</p>
<p>そこで今回は、執行役員とは何かについて、他の役員との違いや執行役員の平均年収、執行役員を設置するメリットとデメリットなどとともに詳しく解説します。</p>
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<p><strong>目次</strong></p>
<ul>
<li><a href="#1">執行役員とは</a></li>
<li><a href="#2">執行役員と他の役員の違い</a></li>
<li><a href="#3">執行役員の報酬・年収について</a></li>
<li><a href="#4">執行役員を設置するメリット</a></li>
<li><a href="#5">執行役員を設置するデメリット</a></li>
<li><a href="#6">執行役員を設置する方法</a></li>
<li><a href="#7">執行役員を解任する方法</a></li>
<li><a href="#8">まとめ</a></li>
<li><a href="#9">よくある質問</a></li>
</ul>
</div>
<h2 id="1"><strong>執行役員とは</strong></h2>
<p>執行役員とは、企業の経営体制の中で特定の業務執行を担当する役職の一つです。取締役会から選任され、経営方針の決定や戦略策定に加えて、実際の業務運営を担います。</p>
<p>会社法上で明確な定義がないため、執行役員の設置は法律で義務付けられてはおらず、会社ごとに自由に設置の有無を決められ、企業ごとにその定義や権限が異なります。</p>
<h3><strong>執行役員の会社法上の定義</strong></h3>
<p>執行役員には、「役員」という言葉が含まれていますが、会社法において明確な定義がある取締役・監査役・会計参与などの役職とは異なり、会社法上は「役員」ではなく、あくまでも「従業員」です。</p>
<p>執行役員はあくまでも事業部門のトップとして業務を執行する人物であり、経営に関する事項を決めたりすることはできません。</p>
<h3><strong>執行役員を設置する理由</strong></h3>
<p>執行役員を置く理由は、企業規模が大きくなればなるほど役員が意思決定と決定事項の遂行を両立することが難しいためです。特に、日本では会社を監督する役員と業務執行のバランスが課題でしたが、執行役員を設置して役員に近い従業員が業務の執行を専門的に行うことで、役員の負担の軽減や監査役と業務執行役のバランスが取れるようになりました。</p>
<p>このように、執行役員は経営に関する決定事項に意見を述べるなどの権限はないものの、役員のみでは困難な決定事項の業務執行を専門に行うため、企業規模が大きくなるほど執行役員の役割の重要性は高まります。</p>
<h2 id="2"><strong>執行役員と他の役員の違い</strong></h2>
<p><img src="https://cdn.shopify.com/s/files/1/1958/6155/files/2_f411098b-1972-4ea2-818c-5699b89c0a8a.jpg?v=1651296422" alt="執行役員とそれ以外の役員の違い" /></p>
<h3><strong>執行役員と執行役との違い</strong></h3>
<p>執行役員は会社法では定められておらず上層部の決定事項を、事業部門のトップとして執行する役職である一方、執行役とは指名委員会・監査委員会・報酬委員会を設置している会社のみに配置される役職であり、会社法上で定められています。</p>
<p>また、執行役員は従業員であるのに対し、行役は会社法上では「役員」に該当します。</p>
<h3><strong>執行役員と取締役との違い</strong></h3>
<p>取締役と執行役員の違いは、会社法上の立場や経営方針決定の権限の有無などです。まず、執行役員は会社法上では「従業員」に該当し、取締役は「役員」に該当するため立場が異なります。役員である取締役は必ず会社に設置しなければなりませんが、従業員である執行役員は必ず設置しなければならない訳ではなく、会社が任意で設置の有無を決められる役職です。</p>
<p>また、会社の代表である取締役は経営方針の意思決定の責務を担っている一方、執行役員は経営方針の意思決定の責務はありません。</p>
<h3><strong>外資系における執行役員の位置づけ</strong></h3>
<p>外資系企業でのExecutive Officer(執行役員)は、日本企業における執行役員と似ている部分もありますが、役割や責任範囲にはいくつかの違いがあります。外資系企業においては、会社の組織構造や国ごとの法規制により、その役割が異なることが多いです。</p>
<p>Executive Officerは、CEOやCFO、COOなどのCレベル役員と密接に連携し、企業の目標を達成するための実行力を発揮します。会社や業界によってその定義は異なりますが、外資系のExecutive Officerは、戦略的な意思決定にも関与することがあり、日本企業の執行役員よりも経営判断に近い立場であるケースが多いようです。</p>
<h4><strong>執行役員の英語表記</strong></h4>
<p>執行役員は、英語では「Executive Officer」と表記されます。</p>
<p>なお、よく耳にするCEO(Chief Executive Officer)は最高位の(Chief)執行役員(Executive Officer)という意味で、日本では最高経営責任者と訳されます。</p>
<h2 id="3"><strong>執行役員の報酬・年収について</strong></h2>
<p>執行役員は従業員に該当しますが、事業部門のトップとして上層部と現場のパイプ的な役割を担っているため、他の従業員よりも高い報酬・年収が与えられます。ただし、役員ではないため報酬は給与として支払われる点が執行役員の特徴です。</p>
<h3><strong>執行役員の定年の扱い</strong></h3>
<p>執行役員は従業員に該当するため、他の従業員と同様に定年退職の対象です。ただし、企業によっては執行役員にも任期を定めていることがあり、任期がある場合は定められた任期を満了したら執行役員としての役目を終えます。</p>
<p>ただし、企業によっては執行役員の待遇を設けている場合があり、執行役委員に昇格した場合は一度退職という形をとる場合もあります。退職する際には退職金制度が採用されるため、退職金が受け取れます。退職金は、ボーナスとして受け取る場合と、定年時の退職金に上乗せされる場合があります。</p>
<p>このように、従業員である執行役員には定年制度があり、定年時には退職金が受け取れます。</p>
<h2 id="4"><strong>執行役員を設置するメリット</strong></h2>
<ul>
<li>役員の負担が軽減される</li>
<li>役員と従業員を繋ぐ架け橋になれる</li>
<li>優秀な人材の育成に役立つ</li>
<li>給与を経費計上できる</li>
</ul>
<h3>役員の負担が軽減される</h3>
<p>執行役員がいると、執行役員は役員が定めた経営方針を執行する役職なので、役員の負担が軽減されます。執行役員を設置していない場合、役員は経営方針の決定だけではなく現場と共に自らで執行しなければなりません。しかし、執行役員を設置すれば現場の業務は執行役員に任せられるため、役員の負担が軽減されて業務の効率化が図れます。</p>
<h3>役員と従業員を繋ぐ架け橋になれる</h3>
<p>執行役員は、役員が決めた経営方針を現場に伝えた上でまとめながら執行する中間管理職のため、役員の意見を取り入れつつ現場の状況を見ながら指示を出して業務を執行するため、役員と従業員の架け橋となれます。</p>
<h3>優秀な人材の育成に役立つ</h3>
<p>執行役員は、現場の状況を経営層に伝え、逆に経営方針を現場に浸透させる役割を担うため、この双方向の役割を経験することで、経営幹部に必要な全体を見渡す視点が育まれます。</p>
<p>さらに、若手を執行役員に任命することで次世代の人材を育成できるだけではなく、チャレンジ精神が生まれて企業の活性化にもつながります。、</p>
<h3>給与を経費計上できる</h3>
<p>執行役員は役員ではなく従業員扱いとなるため、給与を経費計上することができます。会社法では、役員の給与を経費計上するためには条件を満たしていなければならないため、無条件で経費計上できることは執行役員ならではのメリットです。</p>
<h2 id="5"><strong>執行役員を設置するデメリット</strong></h2>
<ul>
<li>立場が不明瞭になることがある</li>
<li>意思決定の遅延が生じる可能性がある</li>
</ul>
<h3>立場が不明瞭になることがある</h3>
<p>執行役員はあくまでも従業員のため、役員と従業員では立場に明確な違いがありますが、執行役員と他の従業員には立場に明確な違いが見られず、他の従業員が立場の違いを疑問に感じる可能性があります。</p>
<p>このような疑問は執行役員を設置する際、執行役員の役割や責務の範囲を明確化して全従業員に周知させることで解消されます。</p>
<h3>意思決定の遅延が生じる可能性がある</h3>
<p>執行役員を設置すると役員は現場から離れてしまうため、現場の状況が伝わりにくく実務に即した意思決定が難しくなるためです。</p>
<p>執行役員はあくまでも業務を執行する役割であるため、役員との架け橋になるものの、役員の意思決定に反することはできないため、役員が現場の状況に反した意思決定をすると現場に大きな支障をきたすことがあります。</p>
<p>意思決定の遅延を防ぐためには、執行役員が役員に対して定期的に現場の状況を細部まで報告し、役員も現場の状況を理解することが重要です。</p>
<h2 id="6"><strong>執行役員を設置する方法</strong></h2>
<p><img src="https://cdn.shopify.com/s/files/1/1958/6155/files/5_b237dfc6-7ef6-413f-8eb8-6bfc8c135000.jpg?v=1651296536" alt="執行役員制度を設置・導入する際の手続き" /></p>
<ol>
<li>取締役会で執行役員を選任する</li>
<li>執行役員規程を作る</li>
<li>執行役員の報酬を決める</li>
<li>執行役員の契約形態を決める</li>
<li>選任辞令を交付する</li>
</ol>
<p>執行役員の設置を決めたら、初めに取締役会で執行役員を選任します。執行役員選定の要件は法律で定められていないため、会社ごとに取締役会を開催して執行役員にも最適な従業員を選定します。</p>
<p>執行役員は従業員ではあるものの、実質的に他の従業員とは異なる特別な役職となるため、執行役員規程も決めておかなければなりません。執行役員規程とは、執行役員の就業条件や規則のことです。</p>
<p>執行役員規程は労働基準法や各企業の就業規則に基づいて作成しますが、他の従業員との区別を明確にするために慎重に作成しましょう。</p>
<p>執行役員規程の作成とともに執行役員の報酬も決めます。執行役員の報酬は給与やボーナスですが、明確な金額を設定しておく必要があります。</p>
<p>次に業務形態を決めます。執行役員の業務形態には「委任型」と「雇用型」があります。</p>
<p>委任型は、執行役員としての役職を委任して契約を結ぶ業務形態です。執行役員は会社と対等の立場となるため、独立して業務を執行できます。ただし、会社側からの契約の解除はいつでも可能です。任期については、設定しない場合と次の取締役会までのいずれかです。</p>
<p>一方で雇用型は、これまで通り会社に雇用されている業務形態のことです。会社よりも低い立場にあるため、上層部の意見を反映しながら業務を執行しなければなりません。明確な任期を定めることはなく、定年まで執行役員として務めるケースが多いです。</p>
<p>ここまでの手順を全て終えたら、いよいよ執行役員の選任辞令を交付します。</p>
<p>委任型の場合は選任辞令の交付とともに就任承諾書を作成の上、執行役員に署名してもらい記録します。</p>
<p>雇用型は就任承諾書を作成する場合と、通常の役職変更同様に辞令を交付する場合のいずれかです。</p>
<h2 id="7"><strong>執行役員を解任する方法</strong></h2>
<p><img src="https://cdn.shopify.com/s/files/1/1958/6155/files/6_9781351e-0155-4dbf-b14c-85afcd171c67.jpg?v=1651296565" alt="執行役員を解任する方法" /></p>
<ol>
<li>解任すべき事由について詳しく調査する</li>
<li>解任権限を確認する(取締役会で決議する)</li>
<li>解任通知を出す</li>
</ol>
<p>まず、執行役員に違反行為や不正行為が見られた場合、執行役員としての業務を遂行できていないと判断された場合には、すぐに解任するのではなく事実関係の調査をしなければなりません。</p>
<p>事実関係の調査は慎重に行い調査不備がないようにしましょう。</p>
<p>解任すべき事由は、具体的には以下のような事例が挙げられます。</p>
<ul>
<li>執行役員規程に違反していたり不正行為が発覚した</li>
<li>執行役員としての業務を遂行できていない、または執行役員に適合していない</li>
<li>取締役会で業務の遂行が難しいと判断された</li>
<li>会社の就業規則において懲戒の条件に該当する要素が認められる</li>
</ul>
<p>調査によって事実関係が認められたら、解任する権限が誰にあるのかを確認します。執行役員は取締役会やCEOによって任命されることが多いため、解任の権限も同様に帰属する場合もありますが、取締役会の承認が必要な場合もあります。解任手続きが社内規定で定められている場合は、それに従います。</p>
<h3><strong>執行役員を解任する際の注意点</strong></h3>
<p>執行役員を解任するだけではなく解雇する場合には、労働基準法で定められた条件を満たしていなければなりません。その条件とは以下の通りです。</p>
<ul>
<li>解雇の30日前に予告しなければならない</li>
<li>解雇予告が30日に満たない場合は不足日数分の給与を支払わなければならない</li>
<li>解雇理由が一方的な理由ではない</li>
</ul>
<p>労働基準法に抵触すると罰則が課せられることもあるため、執行役員の解任だけではなく解雇の必要もある場合は、必ず労働基準法を確認した上で解任及び解雇を命じましょう。</p>
<h2 id="8"><strong>まとめ</strong></h2>
<p>役員や会計処理に係る従業員の負担を減らしたり、優秀な人材を育成できる執行役員の設置。起業する際は労働基準法を確認した上で執行役員の設置を前向きに検討しましょう。</p>
<p>現在起業する方法は多数ありますがその中でもネットショップ開設がおすすめです。なぜなら、ネットショップ開設はインターネット環境があればどこでも可能で、開業費用も大幅に抑えられるためです。</p>
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<h2 id="9"><strong>よくある質問</strong></h2>
<div>
<h3><strong>会社を設立したら必ず執行役員を設置しなければならないのですか?</strong></h3>
<div>
<div>
<p>執行役員の設置は義務ではありません。しかし執行役員を設置することでさまざまなメリットがあるため設置をおすすめします。</p>
</div>
</div>
</div>
<div>
<h3><strong>執行役員と執行役の違いは?</strong></h3>
<div>
<div>
<p>会社法では執行役員は「従業員」、執行役は「役員」に分けられるため、立場に違いがあります。</p>
</div>
</div>
</div>
<div>
<h3><strong>執行役員の任期は?</strong></h3>
<div>
<div>
<p>執行役員の任期の有無や期間は各企業で自由に定められます。</p>
</div>
</div>
</div>
<div>
<h3><strong>執行役員は解任できる?</strong></h3>
<div>
<div>
<p>解任すべき事由が生じた場合は、取締役会で議決されればいつでも解任できます。雇用型の契約形態の場合、執行役員は元から一従業員であるため、解任しても雇用関係を継続することができます。</p>
</div>
</div>
</div>
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